所有権移転登記手続きの流れと必要書類

所有権移転登記手続きとは、売買や贈与、相続、離婚に伴う財産分与で不動産の所有者が変わった場合に、その不動産の登録情報を新しい所有者のものに変更する手続きのことをいいます。

 

所有権移転登記手続き自体に期限は設けられておらず、手続きをしないことによる罰則等はありません。しかし、何らかの方法でその不動産の所有権を取得した第三者が現れた場合、登記手続きをしないまま放置していると、その不動産の所有権等を失ってしまうことが起こりえます。民法は、不動産の第三者対抗要件として登記の具備を要求しており(同法177条)、第三者に対抗するためには先に所有権移転登記手続きを済ませておかなくてはなりません。このような不動産所有権をめぐる係争に巻き込まれないようにするためにも、出来るだけ迅速に手続きを行いましょう。

 

所有権移転登記手続きがおこわなれるケースとしては、主に売買や贈与、相続、離婚に伴う財産分与の4つが考えられます。
このうち、相続をきっかけに所有権移転登記手続きを行うことを「相続登記」といい、ほかの3つとは必要書類などで違いがあります。

 

手続きの基本的な流れはいずれも以下の通りに進められます。


1.登記申請書の作成
2.作成した申請書を添付書類とともに法務局へ提出、登録免許税の納付
3.申請書の審査・不備の訂正(補正)
4.登記識別情報及び登記完了証の受け取り

 

■1.登記申請書の作成
所有権移転登記申請書は、法務局ホームページで様式と記載例を入手することができます(参考:法務局「不動産登記の申請書様式について」)。

 

■2.作成した申請書を添付書類とともに法務局へ提出、登録免許税の納付
添付書類は相続登記か否かで異なります。相続登記の場合の主な必要書類として、以下のものがあります。


・相続人(財産を引き継ぐ者)全員の住民票(写し)、戸籍謄本
・各相続人の印鑑証明書
・被相続人(故人のこと)の出生から死亡までの戸籍謄本
・遺言書又は遺産分割協議書
・固定資産評価証明書

 

相続登記以外の場合(売買、贈与、離婚に伴う財産分与)、主な必要書類は以下の通りです
・住民票(権利者の場合)
・登記原因証明情報(売買契約書、贈与契約書、離婚日が記載された戸籍謄本など)
・身分証明書
・印鑑証明書(義務者の場合)
・固定資産評価証明書

 

申請の際は登録免許税という税金を納付しなければなりません。相続登記の場合は固定資産税評価額の0.4%(1000分の4)、売買・贈与・離婚に伴う財産分与の場合は固定資産税評価額の2%(1000分の20)を納めます。

 

■3.申請書の審査・不備の訂正(補正)
申請書および添付書類に誤りがないかを審査します。不備が見つかった場合、職員の指示に従って訂正する必要があります。

 

■4.登記識別情報及び登記完了証の受け取り
手続きに問題がなければ、登記識別情報及び登記完了証が作成されるため、登記所で受け取りましょう。

 

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