任意後見契約は公正証書で締結を|手続きの流れを解説
任意後見契約は、将来に備えて本人が信頼できるひとに財産管理や生活支援を任せる制度です。
高齢化が進むなかで注目されている制度ですが、その契約は必ず「公正証書」で行う必要があります。
今回は、任意後見契約を公正証書で締結する流れをわかりやすく解説します。
任意後見契約が公正証書で必要とされる理由
任意後見契約は、本人の判断能力が低下したときに効力を発揮するのが基本的な仕組みです。
そのため、後に「本当に本人の意思で契約したのか」が争われやすい契約でもあります。
上記のリスクを防ぐために、法律で公正証書による作成が義務付けられています。
公証人が本人の意思を確認し、記録を残すことで、契約の有効性を担保するのです。
任意後見契約の手続きの流れ
任意後見契約の手続きは、以下のような流れで進められます。
①任意後見人を決める
②契約内容を決める
③公証役場へ文案と必要書類を提出する
④公正証書の作成をする
⑤登記が行われる
⑥書類の保管をする
それぞれ確認していきましょう。
①任意後見人を決める
まずは、信頼できる人物を後見人として選びます。
家族や親族が多いですが、専門職(司法書士や弁護士など)を選ぶことも可能です。
②契約内容を決める
財産管理や身上監護の範囲をどうするかを明確にします。
たとえば「預貯金の管理」「介護施設の入所手続き」など、将来必要になりそうな支援を具体的に契約に盛り込みます。
③公証役場へ文案と必要書類を提出する
契約の内容を決めたら、その文案と必要書類を公証役場へ提出しましょう。
公証人はこれらを確認し、契約の内容に不備がないか、また法律に沿っているかを審査します。事前に内容を整えておくと、当日の契約作成がスムーズに進みます。
④公正証書の作成をする
本人と任意後見人予定者が公証役場に出向き、公証人の面前で契約を結びます。
このとき、公証人が本人の意思を確認し、正式に公正証書として作成されます。
⑤登記が行われる
任意後見契約が公正証書として完成すると、その情報は公証役場から東京法務局へ送られ、正式に登記されます。
登記が行われると、将来後見が開始される際に、裁判所や関係機関が契約の存在を確認できます。
⑥書類の保管をする
公正証書として作成された契約書は、法的根拠となる重要な文書です。
万が一紛失してしまうと、手続きや証明に支障が出る可能性があるため、安全な場所に保管してください。
まとめ
任意後見契約は、公正証書で締結することが法律で義務付けられており、公証役場での手続きが欠かせません。
基本的な流れや必要書類を事前に確認し、スムーズに進められるように準備してください。
不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
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