一般社団法人すまいる相続・後見・信託センター > 生前対策・家族信託 > 家族信託で後悔するケースから見る事前にとるべき対策

家族信託で後悔するケースから見る事前にとるべき対策

家族信託は、あらかじめ財産を家族に託して管理や運用、処分を任せる財産管理の方法です。

認知症の対策などに便利な制度ですが、実際に利用して後悔するケースもあります。

この記事では、家族信託で後悔するケースから、事前にとるべき対策について解説します。

家族信託とは

家族信託とは、本人が認知症などにより自分の財産管理ができなくなる場合に備えて、信頼できる家族に財産管理を託す仕組みをいいます。

信託とは、自分の財産を信頼できる人に預け、代わりに管理・運用・分配してもらう仕組みです。

お金や不動産を持っていて、それを信託する人を「委託者」、財産を預かって管理・運用する人を「受託者」、財産から利益を受けるひとを「受益者」と呼びます。

受託者は、信託の目的に従って財産管理を行い、その利益を受益者である委託者自身や他の指定された人に分配します。

委託者がすでに認知症の場合には本人の判断能力がないとみなされ、信託契約を結べない可能性があります。

家族信託で後悔するケースとは

家族信託は柔軟な財産管理が可能な制度ですが、利用したことによって、後悔するケースもみられます。

家族信託で後悔することがあるのは、主に以下のような場合です。

 

  • 受託者に対して受益者が不公平さを感じて対立が生じる
  • 信託契約の内容が時間を経過するにつれ状況に合わなくなる
  • 30年ルールによって信託契約が強制終了してしまう

 

それぞれについて解説します。

受託者以外の家族に不満が生じる

家族信託では、基本的に受託者が委託された財産を管理や運用、処分する権限を持っているため、他の家族は財産の動きについて口出ししたり、コントロールしたりすることができません。

そのため、受託者以外の家族が、財産の管理や運用、処分方法に不満や不透明感を感じる場合があります。

対策としては、家族全員で信託契約の目的や管理方法を事前によく話し合うことや、受託者の権限を適切に制限する方法が有効です。

信託契約の内容が時間を経過するにつれ状況に合わなくなる

家族信託では、信託契約の内容が時間の経過とともに状況に合わなくなる場合があります。

この問題を防ぐには、契約の柔軟性を確保する仕組みを事前に組み込むことが大切です。

受益者の変更権や予備受益者の設定、または信託監督人を置いて状況に応じた柔軟な運用のサポートを受ける方法があります。

30年ルールによって信託契約が強制終了してしまった

家族信託では、受益者を子供や孫に順番に承継させることが可能ですが、「30年ルール」という制限があります。

家族信託の30年ルールは、信託開始から30年を超えると、次の受益者の死亡時に信託が終了する仕組みです。

長期的な資産承継を考えている場合には、この30年ルールの影響を受ける可能性があるため、契約時に十分な検討が必要です。

まとめ

家族信託は、相続対策として非常に有効な手段ですが、適切に設計しておかないと、後悔する可能性があります。

受託者の選定や契約内容を明確化すること、家族間の理解と合意を得ること、そして専門家の適切なアドバイスを受けることが大切です。

家族信託についてのご不明点やご質問は、専門家である司法書士にお気軽にご相談ください。

よく検索されるキーワード

代表挨拶

田近淳司法書士の写真

田近 淳(たぢか じゅん)

一般社団法人すまいる相続・後見・信託センターは、神奈川県司法書士会所属司法書士の田近淳を代表者として、横浜市(旭区、瀬谷区、保土ヶ谷区、泉区、戸塚区)や大和市を中心に、一都三県における相続などに関するご相談を広く承っております。

相続手続き、遺言執行、家族信託、成年後見制度等、お困りの際にはお気軽に当法人までお越しください。

代表を務める田近淳は、「司法書士」のみならず、「相続診断士」及び「民事信託士」の資格を保有しています。

メルマガ無料配信中 企業の成長と発展に役立つ情報満載!

お知らせ

法人概要

商号 一般社団法人すまいる相続・後見・信託センター
所在地 〒241-0024 神奈川県横浜市旭区本村町105番地 ラテール旭2階
電話番号 045-489-4860
営業時間 9:00~19:00
定休日 土日祝日(予約可)
相談料 初回相談・見積無料(60分)
アクセス 【営業所】 相鉄線二俣川駅(北口改札)から徒歩4分
関連サイト 田近淳司法書士事務所ホームページ