借金の相続放棄ができないケースとは

相続放棄とは、被相続人の財産も借金もすべて引き継がないことを選択する手続きです。

しかし、一定の行動を取ると借金も含めてすべての相続を認めたことになる法定単純承認が成立し、相続放棄ができなくなる場合があります。

本記事では、借金の相続放棄ができないケースについて解説します。

借金の相続放棄ができない4つのケース

借金の相続放棄ができないケースとして以下が挙げられます。

相続財産を処分した

相続財産を処分した場合、法定単純承認が成立し相続放棄ができなくなります。

たとえば、被相続人名義の預貯金を引き出して使用した、不動産を売却した、家財道具などの動産を売り払ったなどの行為が該当します。

ただし、葬儀費用を相続財産から支出することは、社会通念上認められる行為として処分には該当しないとされるケースが多いです。

また、形見分けについても社会通念の範囲内であれば処分にあたらないと判断される場合もあります。

相続財産から借金を返済した

相続財産を使って被相続人の借金を返済した場合も、法定単純承認が成立するリスクがあります。

借金の返済は、相続財産の処分行為とみなされる可能性が高く、債権者から催促を受けたとしても安易に支払うのは避けることが大切です。

債権者から督促された場合は、相続放棄を検討している旨を伝えるようにしましょう。

相続財産の隠匿や消費を行った

相続財産を隠したり不正に消費したりする行為も、法定単純承認とみなされます。

たとえば、相続財産の存在を他の相続人に知らせずに特定の相続人だけが取得しようとした場合や、現金を使い込んだ場合などが該当します。

このような行為は、相続放棄ができなくなるだけでなく、他の相続人との間で深刻なトラブルに発展するおそれがあります。

遺産には一切手を触れず、被相続人が亡くなった時点での状態を維持することが重要です。

3か月の熟慮期間を超過した

相続放棄ができるのは、原則として相続の開始を知った日から3か月以内です。

この熟慮期間を超過した場合、相続を承認したものとみなされ相続放棄の申述が家庭裁判所に受理されない可能性があります。

ただし、期限を過ぎた場合でも、被相続人に借金があることをまったく知らなかったなど、やむを得ない事情があると認められる場合には、相続放棄が受理される余地があります。

また、熟慮期間内であれば、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることで3か月を超えても相続放棄の検討が可能になります。

期限が迫っている場合は、早急に司法書士へ相談することが大切です。

まとめ

相続財産の処分、借金の返済、隠匿、熟慮期間の超過は、いずれも相続放棄ができなくなる法定単純承認に該当するリスクがあります。

借金の相続を避けるためにも、被相続人が亡くなってからできるだけ早い段階で司法書士へ相談することをおすすめします。

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